プラスチック材質に対する
影響評価試験のご案内


1.影響評価試験方法改訂の概要
2.影響評価試験の申込要領
3.仕様書の記載について
4.依頼試験申込書
5.影響評価試験仕様書
   

〒189-0024 東京都東村山市富士見町1−5−12
社団法人日本船舶品質管理協会                           
製品安全評価センター
(船舶艤装品研究所)
TEL 042 (394) 3611
FAX 042 (394) 1119
              
担当 火災安全G 主任研究員 長澤 進

 


1.影響評価試験方法改訂の概要
1.1プラスチック容器の試験方法(これまでの方式)
船舶安全法に基づく危険物船舶輸送及び貯蔵規則(略称 危規則)第6条及び第129条の3の規定により、危険物をプラスチックドラム,プラスチックジェリカンまたは複合容器(プラスチック製内容器のもの)で運送しようとする場合は、その容器に当該危険物を充填し6ヶ月放置後所定の容器試験を行うことになっている。
この規定の簡便法として、次の影響評価試験が認められてきた。

影響評価試験の内容(旧法)
影響評価試験は次の3試験で構成されている。
(1) 膨潤作用評価試験
 標準薬品として灯油を使用し、プラスチックの耐薬品性試験方法(JIS 
  K7114)に準拠して浸漬後の質量変化率を測定し比較する。
  試験期間 約30日
   供試薬品の質量変化率が小さければ"灯油相当品に該当した"とする。
(2) 酸化作用評価試験
   標準薬品として70%硝酸を使用し、硬質プラスチックのアイゾット衝撃試
験方法(JIS K7110)に準拠して浸漬後の衝撃値を測定し比較する。
  試験期間 45日
供試薬品の衝撃値が大きければ"硝酸相当品に該当した"とする。
(3) 環境応力割れ作用評価試験
   標準薬品として99%酢酸を使用し、ポリエチレンびん(JIS Z1703)ストレスクラッ 
 キング試験に準拠して浸漬後のクラック発生状況を比較する。
  試験期間 約60日
   供試薬品のクラック発生が遅ければ"酢酸相当品に該当した"とする。
上記3試験にすべて合格した場合、影響評価試験に合格したものとして試験成
績書を発行する。

1.2プラスチック容器の試験方法(改訂)
平成15年4月1日より、プラスチック材料が高密度ポリエチレン3種1類の
場合には、1.1の標準薬品による試験を省略し、次に示す基準を満たすものを影
響評価試験に合格したものとすることができることとなった。
 但し、1.1の標準薬品による試験については、当該危険物の試験50回に1回
の試験を行う。

@ 膨潤作用
試供品について30日間試験後の膨潤量が、6%以下のものを合格とする。
A 酸化作用
試供品について45日間試験後のアイゾット衝撃値が、3.92(kJ/m2)以上のものを合格とする。
B ESC(環境応力割れ作用)
試供品について60日間試験後の応力割れ個数が、5個以内のものを合格とする。

2.影響評価試験の申込要領
2.1依頼試験申込書・仕様書の提出
(1) 申込書は依頼1件あたり1通提出下さい。
(2) 仕様書は同時に試験依頼される危険物(供試薬品)1点あたり1通提出下さい。
(例)危険物1点を試験依頼の場合   申込書1通    仕様書1通
危険物2点を試験依頼の場合   申込書2通*   仕様書2通
危険物3点を試験依頼の場合   申込書3通*   仕様書3通
* この場合の申込が同時に行われた場合、1点ずつに試験するより費用がお安くなります。
2.2申込方法
次の3点を送付下さい
(1) 必要書類 依頼試験申込書 危険物1点に付き1通
影響評価試験仕様書 同上
(2) 供試薬品 1リットル
(3) 廃液返却用空瓶(容量 500c.c.程度)

(注)試験片は高密度のポリエチレン3種1類の場合は、当センターで常備しているので送付の必要はありません。他の種類のポリエチレンを指定される場合は依頼者で試験片を作成して送付して下さい。

2.3受付及び試験実施
(1) 上記3点が揃って到着した時点で、先着順受付としております。
(2) 受付後、試験成績書送付まで約70日です。
(3) 試験終了後、供試薬品の残り及び試験廃液を返送します。
(4) 試験料金の請求は、試験終了後となります。

3.仕様書の記載について
(1) 試験基準
通常は@です(船舶安全法関連)。航空法,毒劇物取締法,消防法関連の 
場合はAその他( )に記入して下さい。
(2) 試験項目
   通常は@,A,Bです。
(3) 試験条件
   通常はA40℃です。40℃または23℃以外の温度で試験を実施する場 
 合はBその他( )に記入して下さい。(40℃以外の場合は試験期間も変
わります)
(4) 試験品名
   依頼者において決定して下さい。これは今後の諸手続きの名称になります。
  実際には、危規則別表の該当品名をそのまま使用するケース,具体的薬品名
を使用するケース,それらを併用するケース等があります。
同一品名のものが複数ある場合はサフィックス等をつけて区別して下さい。(4) 告示別表,国連番号,容器等級
   依頼者において試験依頼される危険物が該当するものを危規則別表から選
 び記入して下さい。国連番号等の決定が難しい場合は、日本海事検定協会へ
相談することを勧めます。
(5) 性状
  判明している範囲で出来るだけ記入して下さい。なお比重は必須です。
(6) 化学成分及び組成
  次のガイドラインに従ってください。
ア) 単品の場合は純度、混合品の場合は2成分の成分及び含有率
イ) 単品で危険物に相当する物質(成分)については、いかなる含有率の場合も記載すること。
ウ) できるだけ全組成を示すこと。
(この成分,組成が当研究所より外部に洩れることはありません)
(7) 反応性,毒性,取扱上の注意
判明している範囲で出来るだけ詳しく記入して下さい。製品安全データシ
ート(MSDS)を添付することで代用可。
(8) 使用可能試験機材
  依頼者で記入して下さい。
(9) 収納するプラスチック容器の材質
  通常は、高密度ポリエチレン3種1類

 

4.依 頼 試 験 申 込 書
(プラスチック材質に対する影響評価試験)→専用のものがありますのでそれをご利用下さい。

5.依頼試験仕様書→専用のものがありますのでそれをご利用下さい。
依頼試験仕様書の内容(以下の(1)及び(2)の情報が必要になります。)

依頼試験仕様書 (試験依頼書 別紙)
プラスチック材質に対する影響評価試験仕様書(1)
作成年月日
会社名
部署名 担当者名
住所
電話番号 FAX番号
試験名 @プラスチック材質に対する影響評価試験
Aその他(                            )
試験基準 @HK A その他(                        )
試験項目 @  23±2℃  A  40±2℃ B  その他
試験品名
告示別表第       国連番号 容器等級   T ・ U ・ V
沸点:            
性 蒸気圧:
凝固点:
状 比重:
引火点:
化学成分及び組成



反応性(酸性、アルカリ性、他物質との反応性)

プラスチック材質に対する影響評価試験仕様書(2)

経口毒性、許容濃度:            
毒 吸入毒性:
皮膚刺激:
性 臭:
その他:

取  火気            
扱  保護具
上  換気
の  その他:



試験使用可能機材(1): ステンレススチール、テフロン
試験使用可能機材(2): ガラス、ポリエチレン
((1)(2)とも少なくとも1つ必ず選択して下さい。)
試験するプラスチックの材質   @高密度ポリエチレン3種1類
        Aその他 (                          )
備考
                          以上。