2009.07.30
製品安全評価センター
火災試験方法コードの概要
火災試験方法コード(FTP Code)、及びその改正(IMO FPでの総合見直し作業)の概要については、以下を参照ください。
< 火災試験方法コード(FTP Code
: International Code for Application of Fire Test procedures)>
MSC決議61(67) (1998年発効)を参照ください。
Part |
火災試験名 |
対象品 |
関連規格 |
Part1 |
Non-combustibility test (不燃性試験) |
防熱材 |
ISO1182 |
Part2 |
Smoke and Toxicity test (煙と毒性試験) |
表面仕上げ材、塗料、一次甲板床張り材 |
IS05659-2 |
Part3 |
Test for "A","B" and "F" class divisions ("A","B" 及び "F"級仕切りの試験; 標準火災試験) |
防火仕切り隔壁、甲板、防火戸、窓、電線貫通部、防火ダンパー |
IMOA.754 |
Part4 |
Test for fire door control systems (防火戸制御機構のための試験) |
防火戸制御機構 |
IMOA.754 |
Part5 |
Test for Surface flammability (表面燃焼性試験:火炎伝搬性試験 |
表面仕上げ材、床表面材、塗料(壁、天井、床の表面仕上げ材料)、接着剤 |
IMOA.653(16) IS05658-2 |
Part6 |
Test for Primary deck coverings (一次甲板床張り材試験) |
一次甲板床張り材 |
IMOA.687(17) IS05658-2 |
Part7 |
Test for vertically supported textiles and films (鉛直に支持される織物及びフィルム(カーテン類)の試験) |
カーテン |
IMOA.471(12) IMOA.563(14) |
Part8 |
Test for upholstered furniture (布張り家具の試験) |
座席のシート部 |
IMO A.652(16) |
Part9 |
Test for bedding components (寝具類の試験) |
寝具全般(ふとん、ベット、カバー類、まくら等) |
IMO A.688(17) |
Part10 |
Test for fire-restricting materials for high-speed craft (高速船の火災の広がりを制限する材料) |
高速船の火災の広がりを制限する材料 |
MSC.90(71) MSC 40(64) |
Part11 |
Test for fire-resisting divisions of high-speed craft (高速船の耐火仕切り) |
高速船の耐火仕切り |
MSC 45(65) |
< 高速船の耐火材料について >
昨今急増している高速船については、HSC Code (High Speed Craft Code : International Code of Safety for High-Speed Craft)が規定されており、高速船の耐火材料の防火性能の評価方法として、FTP code Part10 & Part11が規定されました。(FTP Codeとして発効されています。)
現在、製品安全評価センターは、FTP code Part10 & Part11については対応できておりませんが、試験の概要については、以下のURLを参照ください。
FTP code Part10 & Part11について:http://firesafe.rime.jp/FireSafe/FTPC_10_11/
< 火災試験方法コードの総合見直し (New FTP code) >
SOLAS条約U-2章の1996改正(MSC決議57(67):1996年12月採択)は、同章に規定する船舶防火材料の判定のための火災試験方法コード(FTP Code : International Code for Application of Fire Test procedures)(MSC決議61(67))を強制要件として導入した。これらの改正及びCodeは、1998年7月1日から発効し、制定以来10年間が経過した現在、様々な改正、見直しの必要性が生じている。
(1) FTP Codeの運用実施以降、統一的な試験方法の確立等ため、多くの解釈案がIMOに提案され、その内の幾つかはMSC/Circularとして承認されている。
(2) 一方、提案された解釈案の内、その幾つかは規則改正にあたると判断され、実質審議が行われていないものがある。
(3) FTP Codeの試験方法として引用しているIS0規格には、その後の改正されているものがある。
(4) FTP Codeの運用実績から、同Codeの改善点が指摘されている。
(5) 新技術の開発により、同Codeの想定外の船舶防火材料及びシステムが出現し、船舶の火災安全性を確保する上で適正な対応が必要となっている。
(6) HSC Codeの採択により、FTP code Part10&Part11が新たに制定されたが、認知度が低い。
本作業は、我が国よりIMO MSC80(2005年5月開催)の新規作業項目として提案され、MSC80での承認の基で、具体的作業は、FP防火小委員会にて進められることとされた。
「火災試験方法コードの総合見直しの審議」は、FP50(2006年1月開催)から開始され、FP54(2010年4月開催)まで検討される予定である。
< 参考情報 >
火災試験コード総合見直しに関するIMO FPでの検討の履歴、進捗、及び改正案(FP54)について
URL:http://firesafe.rime.jp/FireSafe/FP_summary/