2009.07.30
製品安全評価センター
船舶向けの防火材料の認定取得について(概要)
<注記> 当センターに「船舶の防火材料の型式承認を取りたい」とのご相談を多くいただきます。
当センターで試験を実施し、主管庁または船級協会から型式承認を取得する為には、以下の内容をご確認いただき、具体的なお問合せをお願い致します。
本概要説明資料は、「船舶向けの防火材料(FTPコード関連)の認定取得(型式認定)」に関する一般的な内容(認定取得の流れ)をご説明いたします。
(対象者:船舶関連の認定取得が始めての依頼者を想定しております。)
< 火災試験方法コードの型式承認取得(火災試験の実施) >
火災試験方法コードの型式承認取得の為、火災試験を実施される場合は、当センターにご相談ください。
尚、ご相談の折には、
1)貴社の製品内容と、船舶での使用場所
2)型式認定取得の対象となる船級、又は主管庁について
3)対象船舶の船籍、又は旗国について
等を可能な限りご確認いただき、ご相談下さいようお願致します。
< 船籍について >
私たち(人)に「国籍」が有るように、船舶には「船籍」が有ります。その船舶を管理する旗国が存在致します。日本国内で造船される船舶が「日本船籍」であるとは限りません。必ず対象と考えている船舶の船籍についてご確認下さい。
< 型式承認を発行する機関について >
船舶の「船籍」により、その船舶に関する型式承認を発行する認定機関が異なります。日本を旗国とする船舶でも、「主管庁(日本国政府)管轄」と、「日本海事協会(Class NK)管轄」と異なります。
詳細に関してここでは割愛いたしますが、大きな分類としては、
JG船籍(主管庁) :内航船と、外航客船など
NK船籍(船級協会) :外航貨物船など
が認定機関とその対象船舶の関係です。
各国(各旗国)に同様に「主管庁船籍」と、「船級協会船籍」の船舶が有ります。(旗国により、船級協会が主管庁管轄の船舶の検査を代行しております。
< 型式承認制度について − JG(国土交通省 海事局) >
型式承認制度では、基本的にJG船籍の船舶には、JGの型式承認物件しか使用できません。他船級協会の承認物件は使用できません。
型式承認試験制度(国土交通省 海事局)については、以下のURLを参照下さい。
JG 船舶検査情報: http://www.jsmqa.or.jp/Infomation/infomation.html
(品質管理協会(本部)のWebページです。JGの型式承認制度について解説しております。)
型式承認物件について: http://www.jsmqa.or.jp/Infomation/TypeApprovalList/contents.htm
(品質管理協会メンバーのみのサービスですが、JGの型式承認取得物件が確認できます。)
船級協会の型式承認についても、基本的に同様な考え方に基づいております。各々の船級協会の船舶に使用できるのは、各々の船級協会の型式承認物件のみです。各船級により異なる点も有りますので、直接船級協会にお問合せ下さい。
< 船級協会について >
各国(各旗国)に「船級協会」が存在しており、様々なサービスを行っております。船舶に関する型式承認もその業務のひとつです。基本的に、防火材料の型式承認についても、その材料が使用される船舶の船級の型式承認を必要とします。すなわち、NK船には、NKの型式承認が、外国船級船には、その外国船級の型式承認の取得が必要です。
船級協会の概要については「船級協会(Wikipedia)」にて知ることができます。
URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%B9%E7%B4%9A%E5%8D%94%E4%BC%9A
船級協会へのリンク: http://www.jsmqa.or.jp/etc/Link.htm
船級協会の概要(一部のみ)
国 |
略号 |
名称 |
URL: |
日本 |
NK |
日本海事協会(Class NK) |
|
米国 |
ABS |
米国船級協会 (American Bureau of Shipping) |
|
英国 |
LR |
英国船級協会(Lloyd's Register of Shipping) |
|
仏国 |
BV |
フランス船級協会(Bureau Veritas) |
|
ノルウェー |
DNV |
ノルウェー船級協会(Det Norske Veritas) |
|
韓国 |
KR |
韓国船級協会(Korean Register of Shipping) |
|
中国 |
CCS |
中国船級協会(China Classification Society) |
|
独国 |
GL |
ドイツ船級協会(Germanischer Lloyd) |
|
船級協会連合 |
IACS |
国際船級協会連合(International Association of Classification Societies) |
世界には50以上の船級協会が存在しています。上記はその一部です。
< 火災試験所としての当センターの位置づけ >
製品安全評価センターは、海上人命安全条約(SOLAS)に係わる火災試験 Fire Test Procedures Code(火災試験方法コード)を主体として、火災安全に関する試験、実験、調査研究を行っています。
防火用材の型式承認には、FTP コードの火災試験を要求されます。当センターは、我が国唯一の火災試験所としてFTPコードに係わる火災試験を実施しております。
FTPコード(本文)では、「火災試験方法の適用に関する国際コード(FTPコード)に係わる試験機関に関しては、当該主管庁の認定した試験機関で実施すること」が要求されております。(FTP Code 4.2.1)
製品安全評価センターは、国土交通省よりFTPコードに係わる試験(火災試験方法の適用に関する国際コード(FTP コード))の認定試験機関としての認定を取得しており、国土交通省船舶検査官の試験立ち会いは免除されております。
また、「RESEARCH INSTITUTE OF MARINE ENGINEERING」の名称で、我が国唯一の試験機関として、IMOに報告されております。
またFTPコードでは、「試験機関は、公認機関により監査された品質管理システムを使用しなければならない」とされております。(FTP Code 4.2.3)
火災安全研究グループは、Fire Test Procedures Code(火災試験方法コード)Part 1からPart 9については、JIS Q 17025 (ISO/IEC 17025)「試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項」による試験所認定を(財)日本適合性認定協会より取得しております。(認定番号:RTL01410)
JAB URL:
http://www.jab.or.jp/cgi-bin/jab_exam_proof_j.cgi?page=2&authorization_number=RTL01410
当センターの試験所認定(JAB)について: http://www.rime.jp/paper/rime_17025.pdf
< 当センターの試験成績書について >
型式承認取得には、様々な書類(申請の為の必要書類)がありますが、私どもの発行する「試験成績書」は、その必要書類のひとつと考えてください。
具体的な型式承認の申請は、主管庁及び船級協会等の「型式承認を発行する機関」に直接お問合わせください。
以上