Measurement of gases using Fourier transform infrared spectroscopy (FTIR)

FTIR(フーリエ変換赤外分光法)を用いたガス分析システム
            ―高精度ガス分析―         (2005/06)

船舶用防火材料の燃焼ガスの毒性分析は、国際海事機関(IMO)の「火災試験方法の適用に関する国際コード(FTPコード)」のパート2「煙と毒性試験」に従って下記のFTIR分析装置によりガスセルを用いて7種のガスの高精度分析を実施しております。煙の発生試験は、ISO5659:1994のパート2に従っております。
 また、自動車や船舶のエンジンの排ガスにおけるNOx、COなど有害ガスの高精度での分析も可能です。ご相談下さい。

FTIR分析装置
日本分光 FT/IR-660Plus
検出器  MCT,DLATGS
分解   0.5,1.0,2.0,4.0,8.0,16.0cm-1
ガスセル
光路長   2m
セル窓材  CaF2
内容量   0.2L
最高温度  200℃
測定可能ガス
CO、HCN、HCl
HBr、HF、NOx
SO2
(精度 数十ppmオーダ)

(社)日本船舶品質管理協会
製 品 安 全 評 価 セ ン タ ー
〒189-0024 東京都東村山市富士見町1-5-12
       電話 042-394-3611    HP; http://www.rime.jp
(担当 火災安全グループ 長沢主任研究員  nagasawa@rime.jp)


FTPコードに基づく火災試験

1.1974年海上人命安全条約(SOLAS: Safety Of Life At Sea)及びその改正のU章-2改定に基づき、火災試験の方法が世界共通の規格としてFTPコード(Fire Test Procedures Code: 火災試験方法コード)にまとめられ、国際海事機関(IMO: International Marine Organization)より発行されています。
現行規格では、1998年7月1日に発行されて以来FTPコードの強制的な実施が要求され、2003年12月31日をもって旧規格の適用を容認する経過措置から現行規格への完全対応が施行されました。

 2.当センターでは、上記FTPコードのパート1からパート9までの9種類の火災試験を実施しています。  このうち、パート2(煙と毒性試験)におけるガス種及びその基準を表1に、試験装置を図1に示す。

  ガス種 毒性基準(ppm)  
  CO 1450以下  
  HCN 140以下  
  HCl 600以下  
  HBr 600以下  
  HF 600以下  
  NOx 350以下  
  SO2 120以下  
  表1. 毒性ガス種と基準 図1. 煙と毒性試験の試験装置

3.なお、当センターは、1998年よりISOに基づく品質システムの充実を進めており、このFTPコードに基づく火災試験について、政府認定とともにISO17025(試験所の品質システム)に基づいて(財)日本適合性認定協会(JAB)の試験所認定を受けております。また、現在IMOの発行した世界の火災認定試験所リストにも掲載されております。

 4.当センターでは、上記煙と毒性試験のためFTIRガス分析システムを導入、2005年4月より本格稼動を開始しました。現在のところ、7種のガスについて、上記ガス基準の判定に適した測定方法を採用しています。今後、お客様のニーズにより、@分析濃度限界を下げる、A分析可能なガス種を増やす、B連続分析に対応する。などの改良を加えることが可能です。